SSブログ

学位取得後のキャリアパス1 [研究]

大層なタイトルをつけてしまいましたが,まとまった話があるわけじゃないです.
就活中大学院生さんに就活の経験談を書いて欲しいとリクエストされていたのと,
最近「PD」とか「学振」というキーワードで僕のブログに辿り着く人が増えているので,役に立つか分かりませんが僕の経験を少し書いてみることにしました.

最初,PD時代の就活の事を書こうと思いましたが,何処から書き始めたら良いか難しい.
ので,とりあえず思いつく限り適当にチョコチョコ書いていくことにしました.
まずは博士号取得直前の話.


僕は地方大出身で,最高学府 東京の大学の附置研大学院に進学した所謂ロンダ組です.
当時.まだ博士課程進学者の減少は始まっておらず,むしろ学生数はmaxの状態でした.
実際,僕の研究グループには同期が7人もいて,しかもみんな優秀な人たちでした.
(今は学年に平均一人ぐらいです.随分減りました)

僕は博士課程の段階で上京したので,他の人との差にかなり衝撃を受けました.
僕はなんとかまとめた修論を和文雑誌に投稿できるかどうかと迷ってましたが,周りは修論を英語で書いて,既に有名な国際誌に投稿したとか,これから出すとか.

要するに,僕はかなりパッとしない大学院生でした(今よりももっとという意味で)
その後,バタバタ藻掻いているうちになんとか博士論文の執筆まで辿りつきましたが,
やっぱりとてもじゃないけど,このまま研究者になれそうが気がしません.

そこで.僕は学位審査を目前にして,指導教官の所にお願いに行きました.
簡単に言うと「就職口を紹介してくれ」と.僕の先生は業界にコネがある方だったので.
でも,その時はそもそも学位取得も危うくて,
「そんな事を考える前にD論を出す事をか考えろ」と言われました.
そして「学位取得しても就職がなければ,その時一緒に考えよう」と言って貰いました.
良い先生です.

その後,なんとか学位取得が決まり,さてこれからどうしたもんかと思った矢先に,
駄目もとで出した PDの公募に通り(拾って貰い),急遽つくばに行くことになりました.
結局,これが次の人生の転機になりました.
卒業後の就職もなかったし,そもそも生活の当ても無かったので,本当に幸運でした.

先輩や周りの研究室には.学位取得後にうまくPDになれず,生活のためにバイトをしながら研究を続けていく人もいました.
けれど学位取得直後は一番頭が回るし,ネタも一杯ある頃です.
この時期に集中して論文を書けるか,次の研究を進められるかが大きなターニングポイントのような気がします.
これは,運良く学位取得後すぐに助手なんかになったけど,あまりに忙しくて研究が出来ないというパターンにも当てはまります.
つまり,学位取得後の研究に専念できる数年間は本当に貴重で,その先の研究人生を左右するんじゃないかと.


早いもので学位取得後,6年が経ちます.
結局,同期の7人のうち4人がアカデミアに残り,3人が企業の研究系部門で働いています.
アカデミアはみんな任期付きですけど,よく考えたらPDはいません.
でもこれは学位取得後に何年も経って到達した状態で,学位取得後に直ぐに常勤職に就けた人は一人もいませんでした.
みんなそれぞれ苦労・模索して,今のポジションに辿り着いたんだと思います.
でも,みんなちゃんとした職に就けているところを見ると,やっぱり優秀な人々だったんですね.こういった仲間に恵まれたのも僕の幸運の一つだったと思います.


nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 1

コメント 4

あらら

最高学府というのは、大学のことですよ。
最高の大学という意味ではありません。
これだからロンダは・・・などと言われかねないのでご注意を。
by あらら (2011-02-07 13:08) 

paleomagician

ご指摘ありがとうございます.不勉強でした.
まあ,実際に理系ロンダですんで(笑).お許し下さい.

by paleomagician (2011-02-07 16:28) 

就活中大学院生

リクエストにお答えいただきありがとうございます。タイムリーに1通目のポスドクうかがいメールを送信したところでした。

続編も期待しています。
by 就活中大学院生 (2011-02-09 17:13) 

paleomagician

お役に立つか分かりませんが,少しずつ書いていこうと思います.分野も違いますし,海外なので事情もまた違うと思いますが.
今となって考えると,ポスドクに関してはちゃんと戦略を持って活動していけば,きっと行くところが見つかると思います.

ただ,運にも左右されますし,この左右された結果,その先の人生が大きく変わっていくのが,怖いというか面白いというか...
友人が言っていましたが,まるで「すごろく」の様ですね研究者人生は.
by paleomagician (2011-02-10 04:44) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。