隕石庫探訪

大学院時代からの友人の李さんが海外調査準備のために我が研究所にやってきました．

中国の調査隊に参加してチベットの標高6000m以上の山岳地帯に行くらしく，その調査に必要な装備品などの相談のための来所です．
まあ，相談事は南極調査の装備品などを紹介してスムーズに終わったんですが，李さんの「せっかく来たので隕石コレクションをぜひ見たい」というリクエストに答えまして，隕石グループの先生にお願いして隕石庫を案内してもらいました．

早速，これが展示用においてある隕石コレクションです．
恐らく我が研究所でもっとも（恐らく世界でも一番？）貴重な火星隕石です．



恐らく天体衝突によって火星から弾き飛ばされたと考えられる火星表面の岩石だそうです．
まだ人類は火星まで行けないことを考えると，火星から飛んできたこの隕石がいかに貴重か分かりますね．ちなみに隣は月から飛んできた月隕石です．



こちらは比較的どこでも見ることができる鉄隕石です．
地球突入の際に表面が溶けるため，特徴的な外見を持っています．



さて，これは隕石に直接触れずに作業を行うことができるという特別なツール．
手を突っ込んで喜んでいますが，実際はかなり作業大変そうです．
が，そんなに使われることは無いそうです．



これは現在収蔵作業中の隕石コレクションです．
これらの隕石は僕らが南極のセールロンダーネ山地調査を行った時に，同時に調査に入っていた隕石隊が採取してきた物です．僕も久しぶりの再会？です．こうやって収蔵された隕石情報は全世界に公開され，各地の研究者からリクエストを受けて貸し出しをするそうです．



最後に非常に貴重な隕石の薄片サンプルをみせて頂きました．
隕石が衝突した際の高温高圧下でのみ生成される鉱物を見せてもらいました（薄片写真はありません，すみません）．これと同じ鉱物はマントルの遙か下部にのみ存在するそうです．
実物を生で見れるのは隕石のみとの事．これまた凄い事です．